現在でも石炭中心のエネルギー源

なぜ中国の都心部でここまでの大気汚染が進行してしまったのでしょうか?その背景には、今もなお主なエネルギー源が石炭にあるという事があげられます。中国は、その広い国土から石炭の発掘量が世界第2位の国です。そのため、経済の発展に伴ってエネルギー消費量が増えてもなお石炭中心のエネルギー消費を続けています。現在世界のエネルギー源としてもっとも利用されている石油の消費量は、中国では全体のたった2割程度で、残りの大部分のエネルギーを石炭でまかなっています。日本では、石炭で走る蒸気機関車の出す噴煙が空気を汚すとして問題になりましたが、中国では現在でも列車に限らず工場や大部分で石炭が利用されているのです。石炭を燃やして出た煙は非常に黒く、灰や微粒子を多く含んだ煙が排出されます。このような空気を汚す噴煙が、工業団地などから多く排出されて、都心部の自動車の増加に伴う排出ガスの煙と相まって、青空が見えないほどの大気の汚染を引き起こしています。
現在世界では、自動車の排出ガスや工場の噴煙の規制などから、環境保護の運動が加速しており、低炭素社会を目指していますが、人口の多い中国では高い経済成長を維持しなければ国民の生活や国家を維持できないため、まだまだ環境問題や国内の情勢にまで目を向けられていないのが現状です。海外企業の生産拠点としての輸出産業に頼った経済体制のため、今後、中国の国内に対する関心が高まってくればエネルギー源は石炭から石油や天然ガスの需要へとシフトしていくでしょう。