環境よりも生計重視の中国

自動車の普及による粗悪なエンジンとガソリンから排出されるガスの問題や、現在でも石炭中心のエネルギー消費をおこなっていて環境に甚大な被害を及ぼしている事は一目瞭然です。海を越えた日本での問題はもとより、実際に環境汚染の進行した都市で生活を送る中国の市民であれば、そのことは痛い程よくわかっているでしょう。しかし、ここまで深刻な環境汚染を続けていてもなぜ中国政府は対策を講じないのでしょうか。
中国では毎年10%以上の急速な経済成長下にありますが、その経済の大半は外国系企業で支えられているのです。中国の広大な土地と人件費の安さから、各国の生産メーカーがコストダウンのために中国に生産工場の拠点を置き始めたのがきっかけです。今や世界中で「made in china」の表記を目にするようになりましたが、このような外国系企業の生産拠点を置く事で中国人労働者の貴重な働き口になっているのです。
逆に言えば、中国の人口や国土の大きさから、常に経済成長を続けていないと国を運営していけないため、中国政府は必死になってこのような輸出産業に力を入れています。目まぐるしい経済成長を続けていてもまだまだ国民には貧富の差が大きく、決して裕福な生活ができない状況にあります。そのため、国内の情勢にはほぼ頭が回っておらず、国民の生活や環境問題は後回しの傾向が強いのです。
今後、中国の人件費が上がってくると輸出産業での経済成長は伸び悩んでくるでしょう。その時にようやく国内の事に目を向け始め、国内ビジネスや国民の生活の質が上がっていくのではないでしょうか。